まるごとわかる大学基礎講座

留学制度

世界的なコロナ禍の影響を受け、現在各方面の留学制度は足踏み状態にありますが、状況が改善した時のために、政府が推進しているさまざまなグローバル教育の取り組みについて知っておきましょう。

今こそ、注目したいグローバル教育の取り組み

海外留学の目的やメリットとは

海外留学を検討する大学生は、高い語学力を得たい、自分の学びたい学問が海外の大学でしか習得できない、異文化体験がしたい、海外の企業でインターンシップを経験したいなど様々です。
このような確固たる目的がなくても、なんとなく海外の大学に興味がある、英語が少しでも話せるようになりたい、短期間でよいので海外で暮らしてみたい、という方もいるでしょう。

まず、海外留学をすれば語学力のスキルアップができると期待しますよね。日本もグローバル社会に向け、今後ますます英語が必要とされるようになると考えられます。海外で仕事をするつもりはなくても、日本国内ででも英語が話せれば就ける仕事も増えるかもしれません。また、就職先で急に海外出張や海外赴任が言い渡される可能性もあります。そうした時に、大学時代に語学力を得ておけばレベルの差があるにせよ、対応がしやすくなるでしょう。

大学での正規留学は1年間ですから、その間に日常生活で英語を使っていればある程度の語学力を身に着けられます。それと同時に日本人以外の友人ができるのも大きなメリットです。アメリカに留学するのであれば、アメリカの友人とうまくやっていけるかな、と当初は考えるでしょう。

しかし、アメリカの大学に来ているのはアメリカ人だけではありません。日本人が留学しているように、フランスやドイツ、イタリアなどのヨーロッパ圏からや、ペルー、メキシコなどの南米、エジプトや南アフリカといったアフリカからも留学してきています。
もちろん、韓国や中国、タイ、マレーシアなどのアジア圏からも大勢留学に来ているので、実にさまざまな人達と友人になるチャンスがあるのです。

そこでは、文化や宗教などが違っていても、同じ目的を持ち助け合う輪もできます。違う文化を認め、広い視野を持つことにも繋がるでしょう。
いろいろな考え方や風習があることを知ることができますし、日本の文化について説明を求められたりもします。これも改めて日本について考え直す良いきっかけにもなるでしょう。

また、英語を母語としない者同士の英語でのコミュニケーションも必要となります。このような場面は、ビジネスで英語を使う際に意外と多くありますので、ノンネイティブ同士の英語でのやり取りに慣れておくことで、就職した後に役立つこともあるでしょう。

さらに日本でコミュニケーションを取るのが苦手…と思っていた人も、異国の地で何とか意思疎通をしなければ生活が成り立たない環境に置かれることで、人見知りがなくなるケースもあります。

このような経験をすることで、留学前とは同じことでも受け取り方が変わるかもしれません。今後、社会人となり長い人生を生きていく上で人生のプラスに働くことも多いでしょう。

短期から海外インターンまで

留学には、夏休みなどを利用した「語学留学」、1年単位の本格的な「長期留学」、海外の学校に正式に留学する「大学留学」「大学院留学」、働きながら学ぶ「海外インターンシップ」など、さまざまな形態があります。グローバル化が進む社会で、語学力があり海外事情をよく知ることは、どの業界で就職、活躍するにしても大きなアピールポイントになります。

語学力強化

一般教養の英語科以外に、ネイティブスピーカーとの日常会話からテーマを決めたディベートの授業、また専門科目をすべて英語で行う授業など語学力の強化に力を入れています。「英語が話せる」だけが目的ではなく、英語で考え、ツールとして使いこなす実力をつけることが目的です。

留学支援

“内向き”といわれてきた現代の学生に、海外留学へのゲートを少しでも広げ、世界を知るきっかけを作る取り組みを行う学校が増えています。交換留学制度、提携大学への斡旋、資金援助また、留学を卒業の単位として認定する大学・短大もあります。

ダブル・ディグリー制度

ダブル・ディグリー制度とは、日本の大学が外国の大学と連携し、双方の大学それぞれの学位を授与するカリキュラムを指します。つまり、ふたつの大学の間に単位互換制度を設けて、学生がそれぞれの学習プログラムを修了することにより、卒業と同時にふたつの大学の学位を同時に取得することができるもの。

メリットは日本の大学に在籍したまま、正規留学生としての学位を得られる点にあります。「先方の国への留学資格試験や大学への入学試験」のステップを踏むことがなく、「通常より短期間」かつ「通常より安い費用」で留学することができます。
留学を考えている学生は、実施校を調べてみるといいでしょう。

奨学金制度

海外の大学に留学するには、大学の交換留学を利用するほか、私費で留学する方法などがあります。

大学の交換留学プログラムを利用すると、日本の大学に支払う学費で協定校に留学が可能になるため、他に金銭的に発生するのは、渡航費用や食費、宿泊費などで済みます。経済的に余裕があまりない場合には、負担が少なく留学できるでしょう。
それでも金銭面の工面が難しい、という場合には、文部科学省の奨学金制度を利用すると8日以上、1年以内のプログラムで指定都市であれば月額10万円の奨学金が受けられる可能性も。経済状況によっては、渡航支援金として16万円を支給してもらえることもあります。給付型なので、後々も安心です。

これは、海外留学支援制度(協定派遣)と呼ばれるもので、日本の大学から申請を行います。大学の掲示板に奨学金の案内がされていないか、また奨学金が受けられないか相談してみましょう。選考は大学側が行い、支援対象学生の承認可否も在籍大学に通知されます。

要件としては、派遣先大学が受け入れを許可する学生であることはもちろん、経済的理由により自費のみでの派遣プログラムが困難な者であることや、プログラム終了後、在籍大学に戻り、その大学の学位を取得する者などがあります。
また大学での学業成績や人物についても審査されます。

また第二種奨学金(短期留学)を在学の学校長から推薦を受け申し込むのもよいでしょう。ただし貸与型の有利子の奨学金となります。貸与月額は2万円~12万円の中から選択可能です。

一方、私費での留学は学費が必要で高額になることがほとんどです。海外の大学は日本の学費と比べて非常に高いことが多く、1年間で数百万が必要となるケースもあります。それに加え、生活費、交通費、宿泊費も必要となりますので、さらに経済的負担は重くなるでしょう。

私費で海外の大学に留学する際にも、文部科学省の奨学金制度を利用できる場合があります。
例えば、高校等を卒業後に海外の大学で学士号の取得を目指す場合には、海外留学支援制度(学部学位取得型)を利用することで最大約400万円(年間)の奨学金を返還不要で支援してもらえる可能性もあります。

経済的理由で、海外の大学に留学など夢のまた夢…と諦める前に、留学したいと考えているのであれば奨学金が受けられないか探してみましょう。

日本にある「アメリカの大学」に入学する方法

ひところ、「電車で通えるアメリカの…」というCMが流行りましたが、留学せずに日本にいながら通学でき、アメリカ人学生と机を並べて学べる制度があります。「区域内大学就学者」と呼ばれるこの制度は、「日本国内のアメリカ政府が利用する区域・地域=米軍人・軍属のための大学」で学ぶプログラム。
あくまで米軍人のためのプログラムのため、授業は夜間や土日に組まれている場合が多く、英語力もネイティブレベルが必要となります。学術英語に不安がある人はブリッジ・プログラムと呼ばれる講座に参加する必要がありますが、この講座も英検2級やTOEFLiBT®45点以上などの基準点があります。アメリカの大学院でMBAを目指したり語学力に磨きをかけたいなら、おすすめの制度です。

日本の大学でも留学生交流が進む

海外留学は費用面も含め、全員が実現できるものではありません。しかし日本のキャンパスにいながら、海外留学生との交流や協同学習を実施している大学もあります。中には学生寮での共同生活が体験できるなど、日本のキャンパスにいながら留学生との異文化交流を実現し、グローバル教育の一環とする大学も年々増加しています。

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